本頁の転載・引用、直リンクを禁止します OHTA-SNA Home page

「All By Myself」解説

浦上宗治 

このCDは、数あるオータサンのアルバムの中でも類をみない、全く彼のソロだけで創りあげられた傑作です。ソロだけの曲もあり、また「ララのテーマ」などのようにオータサンが一人二役で、メロディーもコードも弾いているという、ごく珍しい作品でもあります。ウクレレの音を知り尽くした彼が到達した「オータサウンド」が心に沁みる名アルバムです。このCDのプロデューサーであるミチコ・ウラタの長年の夢でもあったこのアルバムを心行くまで楽しんでください。

  1. All By Mysel
    オータサンがラフマニノフのメロディーにエリック・カルメンが作詞をしたこの曲をタイトルに使ったセンスは抜群で、その歌詞は長い音楽人生を経た彼の心境を表しているのかもしれません。その歌詞は「若かりしころ誰のことも顧みなかった私。愛さえもちょっとした楽しみに過ぎなかった。そんな日々は過ぎ去りひとりで人生を歩む今、すべての友人たちに思いをはせる私。だけど友人たちにする電話の先にはもう誰もいない。私ひとりでやっていきましょう。すべてひとりで、これからは。」(浦上訳)

  2. The Pink Panther
    誰もが知る有名な「ピンク・パンサー」です。しのびよるピンク・パンサーや怪盗ファントマを追うクルーゾー警部などの映画のシーンが目に浮かぶ方もいるでしょう。オータサンはウクレレ一本と指を鳴らす効果音だけでみごとにピンク・パンサーを再現しています。

  3. Lara's Theme
    1965
    年製作のデヴィッド・リーン監督の映画「ドクトル・ジバゴ」は、ロシア革命に翻弄されたジバゴとララの愛の物語。モーリス・ジャール作曲の切なくも美しい「ララのテーマ」をオータサンは哀愁に満ちた感動ものの作品にしています。

  4. Theme From New York, New York
    ロバート・デ・ニーロ、ライザ・ミネリ共演の映画「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年製作)のテーマ曲。「私は今日ニューヨークへ発つ!」という歌いだしの歌詞は新たなる人生への冒険と期待に満ちたもので、オータサンのサウンドのこれからの変容がたのしみです。

  5. Georgia On My Mind
    故レイ・チャールズで大ヒットした曲で、作曲はホーギー・カーマイケル。オータサンがよく演奏するあの「スターダスト」の作者です。「なつかしい甘い調べにジョージアの面影を私は追い続ける…」なんと、このCDにふさわしい曲でしょう。

  6. The Entertainer
    スコット・ジョプリンのラグタイムの名曲で、アカデミー賞7部門に輝く映画「スティング」(ロバート・レッドフォード主演)のテーマ曲に使われています。古き良きアメリカを彷彿させるものがあります。

  7. In A Sentimental Mood
    デューク・エリントン作の有名なジャズ曲で、多くのアーティストたちがレコーディングしています。

  8. Windmills Of Your Mind
    スティーブ・マックイーン主演の映画「華麗なる賭け」(1968年製作)の主題歌でアカデミー主題歌賞受賞作品。日本では「風のささやき」として知られています。作曲はミシェル・ルグランです。

  9. Smoke Gets In Your Eyes
    プラターズ、サラ・ヴォーン、グレン・ミラー、クリフォード・ブラウンなどの名演で知られているジャズの名曲中の名曲です。

  10. One
    ミュージカル「コーラス・ライン」のテーマ曲。この曲で踊るラスト・シーンが心に浮かびます。

  11. Over The Rainbow
    フランク・バウムの児童文学「オズの不思議な世界」を映画化した「オズの魔法使い」(1936年製作)の主題歌です。主演のジュディー・ガーランドが歌って大ヒットし、アカデミー主題歌賞も受賞しています。

  12. Midnight Sun
    ビブラフォンの名手ライオネル・ハンプトンとソニー・バーク、ジョニー・マーサーらの作品です。私にとってはブルーでクールなところがたまらない感じです。

  13. Corcovado
    ボサノバの父、アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲した有名なサンバ曲です。オータサンはブラジル公演をした際に彼と知り合い、語り合ったことがあるそうです。このCDではオータサンがその膨大なラテン・レパートリーの中から唯一この曲を選んでいます。ウクレレのボディーをたたくサンバのリズムが素晴らしいソロをさらに盛り上げています。

  14. 波の盆
    1983
    年に読売テレビが製作したテレビドラマ「波の盆」は文化庁芸術大賞を受賞した作品で、テーマ曲を武満徹が作曲しています。ドラマでは、故国をあとにマウイ島に渡った老日本人移民の思い、亡妻との心の対話、終戦時に勘当した息子との関係などを描いています。オール・バイ・マイセルフに始まったこのCDのエンディングにふさわしい曲で、日系アメリカ人演奏家であるオータサンがメッセージをこめて「波の盆」を贈ります。

注:今回の録音にはマーチンのスタンダード・ウクレレ二本(ローGとスタンダード・チューニング)を使用いたしました。


浦上宗治氏は「ハーブ・オオタ・ウクレレクラブ」を主宰されウクレレ活動でもご活躍しておられます。
そちらのHPもお楽しみ下さい。

BACK